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  • ニタリザメ(ニタリ)徹底解説:特徴・生態・ダイビングでの出会い方と保全状況まとめ

    ニタリザメ(ニタリ)徹底解説:特徴・生態・ダイビングでの出会い方と保全状況まとめ

    マラパスクア島でニタリザメと潜る朝

    フィリピンのマラパスクア島は、世界中のダイバーがその姿を求めて集まる、特別なサメ「ニタリザメ(ニタリ)」を観察できることで知られています。早朝ダイブで年間を通して高確率で遭遇できるため、まさに「幻のサメ」とも呼ばれるこの素晴らしい生物との出会いは、ダイバーにとって忘れられない経験となります。マラパスクア島では2011年に新しいクリーニングステーションが発見され、そこでは高確率でニタリが観察できることから、その魅力はさらに高まりました。
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    私はこの地で、彼らの優雅な泳ぎと、特徴的な狩りの瞬間を目に焼き付けることができました。ニタリザメはネズミザメ目オナガザメ科オナガザメ属に分類され、学名は Alopias pelagicus (Nakamura, 1935)、英名は Pelagic thresher shark と呼ばれます。その和名は「似たり」が由来とされ、マオナガとほぼ同じ形態ながらも体形が微妙に異なることから名付けられたとされています。

    初めて見た尾鰭による狩りの迫力

    ニタリザメの最大の特徴は、全長の半分を占める非常に長い尾鰭で、これは体とほぼ同じくらいの長さがあります。成熟サイズは全長2.5~3.0m、最大で428cm(約4.3m)にも達しますが、オナガザメ科の3種(ニタリ、マオナガ、ハチワレ)の中では最も小さい種とされています。背側の体色は濃青色または灰色で、体側はメタリックシルバー、腹側は白色です。
    この腹側の白色帯が胸鰭基部の上まで伸びない点がマオナガとの大きな違いであり、またニタリの方が胸鰭が大きく、目が大きく黒々としていて口が小さいという特徴があります。全体的に寸伸びしたような体形をしており、目が大きく黒々としているのが印象的です。捕食活動は非常に独特で、長い尾鰭を使って小魚を叩いて失神させてから捕食するという、サメ類では唯一の狩猟方法を持っています。
    高速で泳いで獲物に近づき、体を急反転させて遠心力で尾鰭を叩きつけ、胸鰭を内側に引き寄せることで体の後部を急速に持ち上げます。頭部を下げ、体を屈曲させることで尾鰭が頭上を越えるムチのような動きを生み出し、この一撃で複数の獲物を同時に失神させることが可能です。攻撃はオーバーヘッド型とサイドウェイ型の2種類があり、オーバーヘッド型が一般的で攻撃的であるとされています。

    クリーニングステーションと卵食型のふしぎ

    ニタリザメは主に外洋の表層を泳ぎますが、時折サンゴ礁周辺にも出現し、生息水深帯は0~152m以深とされています。インド洋から太平洋、大西洋・地中海まで広く分布しており、熱帯・亜熱帯・温帯の海域に生息していますが、日本では本州以南の外洋で確認されています。彼らはイワシやサバ類などの群れをなす小魚やイカ類を好んで捕食し、尾鰭を振るう独特の狩猟方法は、個々の魚を追いかけるよりも効率的にエネルギーを獲得できる非常に効率的な方法です。
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    尾鰭の付け根には溝があり、脊椎の構造が極端な体の屈曲に耐えられるように適応している可能性があります。昼夜を問わず活動し獲物を追いますが、クリーニングステーションを訪れる習性も持っています。マラパスクア島では水深22~25mのクリーニングステーションで観察され、一度現れるとダイブ中ずっとその場にとどまることもあるほどです。
    繁殖様式は胎生(卵胎生)で、胎盤を形成しない「卵食型」という特徴を持ちます。これはネズミザメ目に共通して見られる繁殖様式で、子宮内の胎仔は最初、自らの卵黄で成長しますが、約12cmになると未受精卵を食べ始めるのです。発生初期は歯を使って卵を食い破り、後期では卵を丸呑みするという、興味深い生態を見せます。
    産仔数は通常2尾で、2つの子宮それぞれに1尾が育ち、出産される子は全長1.3~1.6mに達します。正確な妊娠期間は不明ですが、12ヶ月より短いと考えられており、毎年出産すると考えられています。

    絶滅危惧種のオナガザメ科と私にできること

    ニタリザメは人に対して危険ではないおとなしい性格のサメであり、ダイバーにとって安全なサメとして位置づけられています。人に害を与えた報告はなく、その長い尾鰭をふり優雅に泳ぐ姿は「神の使者」とも形容され、世界中のダイバーが観察を求めて集まります。目の前でクリーニングを受ける姿はまさに一見の価値があり、 ジンベエザメ やハンマーヘッドをも凌駕する「最後の大物」とも呼ばれています。
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    しかし、この魅力的なニタリザメは、IUCNレッドリストで絶滅危惧種(Endangered, EN)に指定されており、生息数は減少傾向にあります。主な減少原因はマグロ・カジキ延縄などによる混獲や、本種を対象とした漁業、そしてスポーツフィッシングです。スポーツフィッシングでは多くがリリースされますが、リリース後の死亡率が高いとされています。
    2017年にはAlopias属(オナガザメ属)単位でワシントン条約附属書IIに掲載され、国際取引が規制されるようになりました。これにより、この貴重な生物の保全に向けた国際的な取り組みが進められています。水族館での飼育例は非常に少なく、飼育が難しいサメとして知られており、長期飼育の成功例はほとんどありません。
    沖縄県の旧館時代の沖縄美ら海水族館や、大阪府の海遊館で飼育記録がありますが、海遊館での最長飼育期間は26日でした。葛西臨海水族園でも2015年に展示された記録があります。彼らの サメの体 は特殊な脊椎構造を持ち、尾鰭の付け根には溝があり、極端な体の屈曲に耐えられる可能性があります。

    ワシントン条約附属書IIと海の資源のこと

    ワシントン条約附属書IIへの掲載は2017年1月で、規制は同年10月から施行されており、ニタリザメの国際的な取引が厳しく管理されています。この規制は、絶滅の危機に瀕している野生生物を守るための重要なステップであり、私たちが海の資源とどのように共存していくべきかを改めて考えさせてくれます。地方や地域によって様々な呼称で呼ばれるニタリザメですが、日本ではマオナガと混同されることも多く、まとめて「オナガザメ」と呼ばれることも少なくありません。
    彼らの研究はThresher Shark Research and Conservation Project(ニタリザメ研究保護プロジェクト)によって進められており、2010年にはフィリピンで野生のニタリの狩猟行動が初めて詳細に記録されました。25回の捕食行動が動画で記録・分析され、2013年には科学誌PLOS ONEでその研究成果が発表されています。
    NHKの「ワイルドライフ」(2016年)でも特集されるなど、そのユニークな生態は多くの注目を集めています。私たちはこの サメ の存在を知り、保全状況に関心を持つことが、未来の世代に豊かな海を残すための一歩となるでしょう。

    最後に:ニタリとの出会いがくれた小さな変化

    ニタリザメ(ニタリ)は、全長の半分を占める長大な尾鰭を武器として使う非常にユニークなサメであり、その特徴的な姿は他のサメと見間違うことがありません。外洋性でありながら時折沿岸部にも現れ、特にフィリピンのマラパスクア島では高確率で観察できることから、世界中のダイバーに愛されています。尾鰭を鞭のように振るって群れをなす小魚を一度に複数匹失神させる独特の狩猟方法は、サメ類では唯一無二の行動です。
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    人に対しては無害でおとなしい性格であるにもかかわらず、混獲や漁業、スポーツフィッシングなどによって個体数が減少しており、ワシントン条約で保護されている絶滅危惧種となっています。水族館での長期飼育が困難なため、野生での観察が非常に貴重な体験です。このニタリザメとの出会いは、海の生物多様性の素晴らしさと、私たちが直面する環境問題の現実を強く認識させてくれました。
    彼らの生態を知り、保全活動の重要性を理解することは、地球規模での環境・サステナビリティに対する意識を高めるきっかけとなります。ニタリザメがこれからも悠々と海を泳ぎ続けることができるよう、私たち一人ひとりができることを考える小さな変化が、大きな力となると信じています。

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